小児科とは?診療内容・対応する症状・選び方のポイント

免責事項: この記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、医師の診断・治療に代わるものではありません。記事内容の正確性、適切性、有用性について一切保証するものではありません。ご心配の場合は、必ず医療機関を受診してください。

小児科は新生児から中学生頃までのお子さんの病気やケガ、予防接種、発達の悩みに幅広く対応する専門の診療科です。

小児科とは

小児科は、新生児から15歳(中学生)頃までの子どもの病気やけが、成長・発達に関する問題を総合的に診療する診療科です。大人とは異なる子ども特有の身体の仕組みや疾患に精通した専門医が、お子さんの健康を守ります。

小児科の大きな特徴は、子どもの身体を「小さな大人」としてではなく、発達途上にある特別な存在として捉える点にあります。臓器の機能が未熟であること、免疫系が発達途中であること、症状の表現が難しいことなど、子ども特有の事情を踏まえた診療が行われます。また、病気の治療だけでなく、予防接種や乳幼児健診、成長・発達の評価、育児に関する相談など、お子さんの健やかな成長をサポートする役割も担っています。

「熱が出たらまず小児科」と言われるように、お子さんの体調不良の際の最初の窓口として機能し、必要に応じて専門の診療科に紹介する役割(総合窓口機能)も果たしています。かかりつけの小児科を持つことで、お子さんの日頃の健康状態を把握してもらい、急な体調変化にも適切に対応してもらいやすくなります。

小児科が対応する主な症状・疾患

小児科では、以下のような子どもに多い症状・疾患に幅広く対応しています。

  • 発熱・風邪症候群:子どもの受診理由として最も多い症状です。ウイルスや細菌による上気道感染が主な原因で、発熱、咳、鼻水、のどの痛みなどを伴います。
  • インフルエンザ:高熱、全身のだるさ、関節痛などを伴うウイルス感染症です。子どもは重症化しやすいため、迅速検査による早期診断と適切な対応が重要です。
  • RS ウイルス感染症:乳幼児に多い呼吸器感染症で、特に生後6か月未満の赤ちゃんでは細気管支炎を起こして呼吸困難になることがあります。
  • 手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱(咽頭結膜熱):いわゆる「夏かぜ」として知られるウイルス感染症です。発熱、口内炎、発疹、結膜炎などの症状が特徴です。
  • 突発性発疹:生後6か月〜2歳頃の乳幼児に多く見られるウイルス感染症で、3〜4日間の高熱の後に全身に発疹が出るのが特徴です。
  • 溶連菌感染症:のどの痛みと高熱を特徴とする細菌感染症です。抗菌薬での治療が必要で、合併症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎)の予防のために処方された薬を最後まで飲み切ることが大切です。
  • 感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルスなど):嘔吐、下痢、腹痛、発熱を伴う感染症です。乳幼児は脱水になりやすいため、水分補給と経過観察が重要です。
  • 気管支喘息:気道の慢性的な炎症により、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)、咳、息苦しさが繰り返し起こる疾患です。小児の慢性疾患として多く、適切な管理が成長とともに改善につながります。
  • アトピー性皮膚炎:かゆみのある湿疹が慢性的に続く皮膚疾患です。乳児期から発症することが多く、スキンケアと適切な薬物療法による管理が重要です。
  • 食物アレルギー:特定の食物を摂取した後にじんましん、嘔吐、呼吸困難などの症状が出る疾患です。原因食物の特定と除去指導、緊急時の対応指導が行われます。
  • 水痘(水ぼうそう)・麻疹(はしか)・風疹・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ):いわゆる「子どもの感染症」で、予防接種で予防可能な疾患です。
  • 中耳炎:耳管が短い子どもに起こりやすい耳の炎症で、耳の痛み、発熱、不機嫌などの症状が見られます。
  • 便秘症:子どもの便秘は意外と多く、腹痛や食欲不振の原因となることがあります。適切な生活指導と薬物療法で改善が期待できます。
  • 夜尿症(おねしょ):5〜6歳以降も夜間の尿漏れが続く状態です。成長とともに自然に改善することも多いですが、治療介入で改善を早められる場合があります。
  • 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHD・学習障害など):ことばの遅れ、集中力の問題、コミュニケーションの困難さなど、発達に関する相談に対応する小児科もあります。
  • 低身長・成長障害:同年齢の子どもに比べて極端に身長が低い、成長の速度が遅いなどの場合に、成長ホルモンの検査や骨年齢の評価が行われます。
  • 川崎病:主に4歳以下の乳幼児に発症する全身の血管の炎症性疾患で、高熱の持続、発疹、眼の充血、唇や舌の赤み、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れなどが特徴です。冠動脈の合併症予防のために早期治療が重要です。
  • 熱性けいれん:乳幼児期に発熱に伴って起こるけいれんで、多くは予後良好ですが、適切な対応と観察が必要です。

受診すべきタイミングの目安

※以下はあくまで目安です。症状の重さや組み合わせにより緊急度は異なります。不安を感じたら早めに医療機関を受診してください。

以下のような場合には、小児科への受診を検討してください。

  • 38度以上の発熱がある場合(特に生後3か月未満の赤ちゃんの発熱は緊急性が高い場合があります)
  • 咳や鼻水が1週間以上続いている場合
  • 嘔吐や下痢が続き、水分が十分に摂れていない場合
  • 発疹が出ている場合(特に発熱を伴う場合)
  • ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音がする場合
  • 食事を摂らない、元気がない、ぐったりしている場合
  • 耳を痛がる、耳だれが出ている場合
  • 便秘が続いておなかが張っている場合
  • 予防接種のスケジュールに沿った接種の場合
  • 乳幼児健診の時期が来た場合
  • ことばの遅れ、発達面の心配がある場合
  • 身長の伸びが止まった、または同年齢の子に比べて極端に小さい場合

特に緊急性が高いのは、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱(38度以上)、けいれん(特に初めてのけいれんや5分以上続くけいれん)、呼吸が苦しそうな場合、意識がぼんやりしている場合、唇や顔色が青白い場合です。これらの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

受診・診療の流れ

小児科を受診した際の一般的な流れを紹介します。

  1. 問診・体温測定:いつからどのような症状があるか、食事や水分の摂取状況、排泄の状態、周囲の流行状況(保育園や学校での感染症など)、予防接種歴、アレルギーの有無などを伝えます。母子手帳やお薬手帳を持参すると診察がスムーズです。
  2. 身体診察:医師が聴診器で胸や背中の音を聞き、のどの状態を確認し、おなかを触診し、皮膚や耳の状態を観察します。お子さんが泣いてしまうこともありますが、できるだけリラックスできるよう工夫されています。
  3. 検査:必要に応じて、迅速検査(インフルエンザ、溶連菌、RS ウイルスなど)、血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査、アレルギー検査などが行われます。
  4. 診断・治療方針の説明:検査結果と診察所見をもとに、考えられる疾患と治療の方針が説明されます。保護者の方にわかりやすい言葉で説明し、自宅でのケア方法(水分補給の仕方、解熱剤の使い方、経過観察のポイントなど)も指導されます。
  5. 処方・次回受診の案内:お薬が必要な場合は処方せんが出されます。子ども用の薬はシロップや粉薬など飲みやすい形で処方されることが多いです。症状の経過を見て再受診のタイミングも案内されます。

初めてのお子さんの受診で不安が大きい保護者の方もいますが、小児科医は子どもの診察に慣れたスペシャリストです。わからないことや心配なことは遠慮なく質問してください。

小児科で使われる主な検査・治療法

小児科で用いられる代表的な検査・治療法を紹介します。

  • 迅速抗原検査:鼻やのどの粘液を綿棒で採取し、インフルエンザ、溶連菌、RS ウイルス、アデノウイルス、新型コロナウイルスなどの感染の有無を短時間(15〜30分程度)で調べる検査です。
  • 血液検査:炎症の程度(白血球数、CRP値)、貧血の有無、アレルギーの指標(IgE抗体、特異的IgE)、ホルモン値などを評価します。子どもの採血は不安を伴うため、痛みを軽減する工夫がなされます。
  • 尿検査:尿路感染症の診断や腎疾患のスクリーニングに用いられます。乳幼児では採尿パックを使用して尿を採取します。
  • 皮膚プリックテスト・パッチテスト:食物アレルギーや接触性アレルギーの原因を特定するための検査です。
  • 食物経口負荷試験:食物アレルギーの診断や、除去していた食品を安全に食べられるかどうかを確認するために、医療機関の管理下で少量ずつ食品を摂取する検査です。
  • 吸入療法(ネブライザー):気管支喘息の発作時やクループ症候群などで、霧状にした薬剤を吸入して気道の炎症を鎮めたり、気管支を広げたりする治療法です。
  • 気管支喘息の長期管理:吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などを用いて、発作の予防と気道の炎症の管理を行います。発作を起こさない状態を維持することが目標です。
  • 予防接種:定期接種(Hib、肺炎球菌、四種混合、MR、水痘、日本脳炎、BCGなど)と任意接種(おたふくかぜ、インフルエンザなど)のスケジュール管理と接種を行います。
  • 乳幼児健診:1か月健診、3〜4か月健診、6〜7か月健診、9〜10か月健診、1歳6か月健診、3歳健診など、年齢に応じた成長・発達の評価を行います。
  • アトピー性皮膚炎の治療:保湿剤によるスキンケア、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬による炎症のコントロール、悪化因子の除去指導など、総合的な管理が行われます。

小児科の選び方・ポイント

お子さんの小児科を選ぶ際のポイントを紹介します。

  • かかりつけ医として信頼できるか:お子さんの日頃の健康状態を把握し、長期的に診てくれる医師を見つけることが最も重要です。保護者の質問に丁寧に答えてくれるか、説明がわかりやすいかを重視しましょう。
  • 予防接種・健診への対応:定期予防接種のスケジュール管理や、乳幼児健診にしっかり対応してくれる小児科を選びましょう。接種スケジュールの相談に乗ってくれるかも大切です。
  • 感染症対策:待合室での感染を防ぐために、発熱患者と非発熱患者の動線を分けている(隔離室がある)医療機関を選ぶと安心です。
  • 診療時間・休日対応:子どもの急な体調不良は時間を選びません。土曜日や夕方の診療に対応しているか、緊急時の相談先(夜間救急との連携など)を案内してくれるかを確認しましょう。
  • 院内の雰囲気:キッズスペースの有無、おもちゃや絵本が置かれているか、スタッフが子どもに優しく接してくれるかなど、お子さんが安心して過ごせる環境かどうかも選択基準になります。
  • アレルギーや慢性疾患への対応力:喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどの慢性疾患を抱えるお子さんの場合は、これらの管理に力を入れている小児科を選ぶとよいでしょう。
  • Web予約・順番受付システム:長い待ち時間は小さなお子さんにとって大きな負担です。オンラインでの予約や順番受付に対応した医療機関を選ぶと、待ち時間を短縮できます。
  • 専門医療機関との連携:必要に応じて小児専門病院や大学病院への紹介がスムーズに行えるかどうかも確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 小児科は何歳まで受診できますか?

一般的には15歳(中学生)頃までが小児科の対象ですが、慢性疾患の管理などで高校生以降も継続して小児科に通院するケースもあります。医療機関によって対応が異なりますので、個別にご確認ください。

Q. 子どもの熱が何度以上なら受診すべきですか?

38度以上の発熱がある場合は受診を検討してください。ただし、体温だけでなく、お子さんの全身状態(元気があるか、食事や水分が摂れているか、ぐったりしていないか)を総合的に判断することが大切です。生後3か月未満の赤ちゃんの38度以上の発熱は、すぐに受診してください。

Q. 風邪のとき、小児科と耳鼻科のどちらに行けばよいですか?

まずは小児科を受診し、全身の状態を診てもらうのが一般的です。鼻やのどの症状が強く長引く場合は、小児科から耳鼻咽喉科を紹介されることもあります。

Q. 予防接種のスケジュールが複雑で困っています。

小児科では予防接種のスケジュール管理の相談に乗ってもらえます。複数のワクチンを同時接種することで通院回数を減らすことも可能です。母子手帳を持参して、かかりつけ小児科で相談してみてください。

Q. 子どもが薬を嫌がって飲んでくれません。

小児科で処方される薬は、子どもが飲みやすいように工夫されたものが多いです。それでも飲めない場合は、医師や薬剤師に相談してください。混ぜてよい飲食物のアドバイスや、薬の形状(シロップ、粉薬、チュアブル錠など)の変更を提案してもらえることがあります。

Q. 子どものアレルギーが心配です。検査はいつ頃受けられますか?

血液検査によるアレルギー検査は乳児期から受けることができます。ただし、年齢が低いと検査結果が実際の症状と一致しないこともあるため、医師と相談のうえ、適切な時期に検査を受けることが重要です。

Q. おねしょ(夜尿症)は病気ですか?

5〜6歳頃までのおねしょは成長過程で自然に見られるものです。ただし、小学校入学後も週に数回以上おねしょが続く場合は、夜尿症として治療が可能です。生活指導や薬物療法で改善が期待できますので、小児科で相談してください。

Q. 子どもの発達が気になるのですが、小児科で相談できますか?

はい、ことばの遅れ、コミュニケーションの問題、落ち着きのなさなど、発達に関する心配は小児科で相談できます。必要に応じて発達の専門医や療育施設への紹介も行われます。

Q. 熱性けいれんが起きたらどうすればよいですか?

まず慌てずにお子さんを安全な場所に横向きに寝かせ、口の中に物を入れないでください。けいれんの持続時間を計り、5分以上続く場合や初めてのけいれんの場合は、すぐに救急車を呼んでください。けいれんが短時間で収まった場合も、医療機関を受診して経過を確認してもらいましょう。

Q. 保育園や学校で感染症が流行しています。予防法はありますか?

手洗い・うがいの徹底が基本的な予防策です。予防接種で防げる疾患については、接種スケジュールに沿ってきちんと接種しておくことが重要です。流行時には人混みを避ける、十分な睡眠と栄養を取るなどの基本的な体調管理も大切です。

まとめ

小児科は、お子さんの病気の治療だけでなく、予防接種、健康診断、成長・発達の見守りまで、子どもの健康を総合的にサポートする診療科です。子どもの体は大人とは異なる特徴を持っており、小児科医は子どもの診療に特化した専門家です。信頼できるかかりつけの小児科を持ち、気になることがあれば早めに相談することで、お子さんの健やかな成長を支えましょう。

編集: 病院クチコミ検索 編集部 / 最終更新: 2026年02月

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